J3リーグ誕生の傍らで〜JFL事務局長インタビュー第2回

以前J2が17クラブで3巡というのをやったシーズン(2009年)が一回ありましたが、どのクラブも「52節は大変だし、もうやりたくない」と話をしていましたね。

加藤チームの方もね、運営していくためには最低限の試合数を確保して欲しいとは思うけど、かと言って試合数があり過ぎても難しくなるから困りどころでもあるんだよね。あと数年J3リーグは、新しく入ってくるチーム数によって試合数が変動する時期がしばらく続くだろうけど、ほどほど手頃なチーム数のときと、ちょっとキツイときが出てくる訳だね。過去にJ2が増えてくときもあったよね。4巡やってたときから段々変わっていき、3巡や2巡になったりすることによって、1年間の試合数がグッと減っちゃったり増えたりするっていうね。まあ、そういう試合数の問題をクリアしようとすることを考えればさ、すでにJ1、J2があるという状況も踏まえて行くと、なかなか会場を抑えるのも難しくなることが考えられるし、スタジアム基準なんかもJ2と同じようなものにしていたら試合をこなすことも難しくなってしまう。だからこそ、J3の場合はスタジアム基準を下げているんですよね。座席数だけじゃなく、ナイター照明の照度がどうのこうのじゃなく、無くてもOKってことにしているんだよね。

会場の座席数は5千だけども、ナイターは関係ないですから。

加藤まあ、ナイター設備のない会場でもOKにしているんだから、一部のクラブなんかは普通の日(平日ナイター)なんかに試合やれないじゃない。だいたい平日のナイターなんてさ、東京ヴェルディの羽生社長だって『もう普通の日(平日)の夜にやったらマイナスですよ(笑)』と言ってるぐらいだし。ま、ヴェルディに限った話じゃないけど、今のJ2クラブなんかはさ、ナイターであろうとなかろうと土日にやってもマイナスになる日(試合)だってあるから(笑)。それでもってさ、J2よりも下のJ3リーグだし、お客さんの数はお世辞でも多いとは言えないし、実際のところJFL時代よりも「入っている」というチームはあんまり少ないみたいだし、こんな感じでいろいろ1年やってみて、その結果をJリーグに報告するのが翌年(2015年)の5月か6月あたりになるんだけれども、どうなってくるのかね? まあその時期になれば、なんとなくざっくりだけど(結果が)出てくるじゃない?  クラブやリーグ全体の経営状況みたいなのが。まあそんなものは(公に)出てこなくても、(関係各所は)Jの方にJ3のチームにどんな状況?って、確認すればなんとなく分かってくるものなんだけど、その状況がどのぐらいになるのかによって、今後の(進化に関わる)スピード感ってのが変わってくるよね。どんどん新しいクラブをJ3に受け入れてもいいよ!っていう感じになるか、やっぱり慎重にやってかないとこれマズいぞって思うかなんだけれども、たぶんこれ以上分配金を増やしていくっていうことは絶対に無いだろうから、「これはマズい」になったら進化のスピードがダウンする可能性もあるよね。まあチームが増えれば、分配金が減るっていう状況になるのは当たり前だし、これから先は3千万だったのが今年は2千万になりました、今年は1500万になりましたっていうこともあるかも知れない。でもやっぱり、チームとしてはその状況を受け入れなければいけないことは、どのチームも当然分かっているだろうから、そこら辺のバランスがどうなのかっていうのを見極めながら、次の新規参加クラブの入れ方っていうものを、もう少ししたら考え始めると思うよ。ただ、基本的には2つずつぐらいのスピードで入れて行く予定だけれども、そもそもその前に、まずはJFLに入らないと何も始まらないからね。

まあ今回のグルージャ盛岡が実際にJFLを経験しないでJ3に入ったけど、その盛岡が運営的にどうなのかとか、試合の運営がどうなのかとか、地域の盛り上がりがどうなのかとか、いろいろな状況をチェックしながら、地域からJFLを飛ばしてJ3参入しても、そんな問題なくやれるなって思うのか、それともやっぱり1度、全国リーグ(JFL)で試合の運営だとかまず経験してから、プロのリーグっていうかJ3リーグに入ったときにプラスαの要素を加えていくっていうような形がいいのかとか? その辺も(Jリーグ側は)要素を見ているって感じなんじゃないのかな、多分?

増えて行くスピード感が今後どうなるかは予想しづらいところでもありますが、とりあえずはJ3に行くには、JFLでまずは年間順位4位以内をクリアすることが前提条件となってきますね。

加藤そうね、確かに年間の順位ということにもなっているけど、1stステージ、2ndステージ、それぞれ関係はありますよ。要するにJFLの順位ってことだからね。例えばさ、1stステージで優勝すれば、言い方は悪いけど2ndステージが最下位であったとして、年間順位が必ず2位以内となる仕組み。同様に、1stが悪くても2ndステージで優勝すれば2位以内となる。しかし、優勝出来ない場合は、あくあまでも年間獲得勝ち点数での決定となるんだけど、昇格を目指しているクラブにとっては、このルールは有利に動くはずでもあるんだよね。だって片方に力を入れれば、うまくすればその時点で昇格順位を獲得出来るんだから、ありがたいルールだとも思うんだよね(笑)

前期で成績分の権利は確保しといて、後期は成績以外の準備にあてられる訳ですね(笑)

加藤ちょっと2ステージ制の話にも若干戻るけどさ、年間成績の方が順位的には間違いないものにはなるんだけど、やっぱり半分にした方が圧倒的にいろんなチームにチャンスは広がると思うんだよね。例えば今シーズン新規参入となったレノファ山口FCだけどさ、すでに昨年のうちに100年構想クラブもなったし、J3ライセンス取れてるじゃないですか? そして今年もライセンスが間違いなく発行されると思う(※ライセンスは発行され、年間順位も4位以内を確定させたため、2015年シーズンからのJ3リーグ入りが決定している)んだけど、もし前半のうちに優勝を決められていれば、チームもクラブも後半の時間はいろんな準備に時間とお金を掛けられたと思うんだよね。また、チーム力というところから見ると、Honda FC佐川印刷京都の力と比べたら、まだちょっと下かな? という思いはあるから、そこから考えて行くと純粋な年間成績で1位2位になる可能性は低いかな? と思う。でもね、半分だけ頑張れば1位になれる可能性があるはずだし、当然山口にだってチャンスは高くなると思うし、僕は(1シーズン制と比べて)どっちが高いかな? って考えたら、半分で1位になる方が高いと思うんだ。で、今ここでは山口の話ばっかりしちゃったけどさ、この2ステージ制というのは、別にJ3を目指すクラブの物だけじゃないんだよね。ここ最近のJFLでは、横河武蔵野FC佐川印刷京都といったクラブが、後半に入ると俄然力を発揮し始めるじゃないですか?

去年に今年のレギュレーションを導入していたら、横河武蔵野FC佐川印刷京都は優勝争いをしていただろうし、もう少し違った結果になっていたかも知れませんね。

加藤氏インタビュー_佐川印刷SC

佐川印刷京都の選手ら

加藤佐川印刷も後半だけだったら、ここ数年はいつもいいところに来る。(実際に2014年シーズは2ndステージで優勝を飾る)だけどさ、年間トータルで見ちゃうと5位だったり6位だったりとなってしまう。でもさ、武蔵野もそうだけど印刷なんかもさ、毎年後半戦に強いというか、天皇杯や国体の時期が近づくと一気に力が上がって来て、優勝戦線にも絡んでくるぞ! みたいな勢いが出てくるんだよね。こういうのがあるからこそ、2ステージ制にすることで、より今まで以上に自分たちもチャンスがあるんだっていう状況が出来ると思うし、これが選手やクラブのやる気にも繋がってくると思うんだよね。まあ話はだいぶ戻っちゃうけどね。

で、JFLではあくまでも、1位2位を決めるのは年間成績ではなく、1stステージと2ndステージに優勝したクラブだけとなるんだけど、3位と4位に関してだけは年間成績となる。まあそんなところだから、J3を狙うチームはやっぱりどこかで優勝する必要性も出てくるし、それ故に短期決戦のおもしろさ、そして1試合の重みっていうのが深く出来ると思っているんだ。

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