J3リーグ誕生の傍らで〜JFL事務局長インタビュー第1回

吉田監督とは、試合や横河グラウンドで何度も話をさせていただいていますが、そこでも「今年は一番(厳しい)、毎年うちはそういう(無理に選手を引き止められない)チームだから、選手が出ちゃうのは仕方がないので、彼らには『頑張りなさい』っていうけど、今年は本当に多かった。やっぱりJ3ができたし、さらに地域リーグとかでも『うちはJリーグ目指します』ってチームがさらに増えたからどうしても行っちゃう」と話をされています。

武蔵野_吉田監督

横河武蔵野FCの選手らと吉田監督

加藤でもJ3に行ったのはそんなにいなかったよね?

藤吉皆二郎と上田陵弥ですね。

加藤上田ってのはどこ行ったの?

FC琉球です。

加藤琉球はまあいろいろお金で問題が出たから、選手をけっこうアマチュアにしたから。今回琉球なんかも今までほとんどプロだったけど多分…

上田もそうですが、ほとんどがアマチュア契約ですね。

加藤そういう風にせざるをえなかったから。そういうところでは逆に言うといろんな子たちにチャンスがあったっていうことだね。

そうなんですよ。環境は前のチーム(ここでは武蔵野)とはあまり変わらない気もします。だからこそ、すごく難しいんですよね。そこでお話を聞きたかったのが、やっぱりJFL側が考えるJ3という存在は、実際にはどんな印象をお持ちですか?

加藤あんま考えないけどね(笑)。

私たちからしても、やっぱり今シーズン一番注目してたのはJFLとJ3になって、それぞれがどう変わったのかということを見たかったんですね。

う~ん。なにが?

全てです。試合の内容もそうだし、運営も。J3というリーグは、実はかなりグレーなリーグだとも思うんですね。プロリーグだとは言ってはいないけれども、クラブによっては「プロクラブです」って言い切るクラブもあるし、そうとも言い切れないクラブもあります。その中でJ3というリーグに行ったクラブとJFLに残ったクラブがどういう差というか、(リーグとしての)カラーの違いを見せてくのかなっていうのを気にかけていたのですが、外側から見ていて正直J3の試合とJFLの試合を見比べてみると、当然JFLの下位同士の試合ってのは別ですけども、JFL上位とJ3では差はあまり感じないんですよね。現時点では。

加藤去年の上位の順位で言えば、2位だったカマターレ讃岐は一気にJ2へ行っちゃったけど、町田ゼルビアや長野パルセイロなどがJ3で、その下にいたのがホンダとかじゃない。だから、そういう意味では若干J3の方が、リーグの全体感ではレベルが高くてもそれは仕方が無いとは思ってはいるけれど、それほど差があるとまでは思ってはいない。JFLはJFLで、レベル高いリーグじゃないといけないと当然思っているからね。ただ、うちはまあなかなか(J3勢と)対戦する機会とかがないんで、簡単には比較はできないけど、気持ち的にはJ3には競技レベルでは負けないようにしようと思っている。

それは今回の2ステージ制にしたっていうところも絡んでくるんですよね。さっきも言いましたが、短期間で勝負が決まりますっていうことで、1試合1試合の重さとか緊張感とか、そういうようなのを出すことでリーグのレベルが少しでも上がっていくようになればいいと思っているのね。とにかく競技レベルとしては比較することは難しいけれど、J3とはほぼ同じぐらいの競技力っていうところは、最低限維持できるように頑張って行かなきゃいけないなって。ただ、新しく6チームも入ってきてるわけだから、全体的なレベルだとトータルするとJ3のがちょっと高いかもしれないけど。

高いことは高いですが、チームだけではなく、プロサッカーをやっていくクラブとしての総合力で見た場合、まだまだかな?というクラブはありますね。

加藤基本的にはプロ予備軍リーグじゃない?それはJ1とJ2にも差があるだろうし。で、J1、J2のことは総じて「Jリーグ」って言ってるわけよね。でも、J3はいろんな、ちょっと問題があるので違う「J3リーグ」って言い方して、別なタイトル、別のスポンサーも作ってやってる。まあ元々は結局最終構想委員会で名前はJ3って決めたんだけど、最初の頃なんかは「Jチャレンジリーグ」とか言ってたんだよね。で、その管理をJリーグがやりましょうという話はしていたのだけれども、実際にはどのタイミングで始めるのか?っていうことは曖昧なまま時間がちょっと続いていたんですが、大方やりましょうって話になったときにいろんなものを整理して行く中で「じゃあ(リーグの)名前なにする?」ってなった時に「Jチャレンジリーグもなんか」なんて話も出た。まあそれの方がひょっとすると分かりやすかったのかもしれないけど、「J1、J2、J3という言い方の方が、なんとなくスッキリするんじゃない?」って言って。そのころはあんまりそう細かい、J1/J2とディヴィジョン3でいけると思ってたんじゃないかと思うけど、細かい部分ではスポンサーの問題とかでJリーグディヴィジョン3じゃ無理だってのが分かって、それでJ3リーグってのにしたっていうこと。まあ一応皆さんがJ3J3って言ってるから、まあJ3なんだけど。そこんところはやってる人たちにとっては、J2経験のあるにいた鳥取(ガイナーレ鳥取)とか町田(FC町田ゼルビア)とかね。当然、元々チームがプロチームなのかアマチュアチームなのかね。そういうのはときおり一般の人からも質問が来るんですよ。「このチームはプロチームですか?アマチュアチームですか?」ってね。それで僕なんかは、前のJ1/J2のときは、Jリーグに入ってるチームは一応プロチームですが、うち(JFL)は基本的にはアマチュアですと。こんな言い方していました。だけどまあ今もそうだし、去年なんかもそうだけど、うちにいたって組織的にはちゃんとした法人を作ってサッカーのチームを運営するっていうクラブもあるし、当然規模はJ1/J2とは違うけれども、選手や指導者なんかもほとんど契約ですっていう形をとっているクラブもあり、形は完全にプロクラブと同じ仕組みでやっているところもある。

そういうクラブにしてみると、自分たちはプロクラブなんだっていうプライドがある。でもY.S.C.C.みたいの形のチームもJ3にはいる。あそこはNPO法人かなんかで運営しているよね。まあ規約上2人はプロ契約するっていうことになっているんだけど、多分プロとなっている子たちも、なんらかのクラブ関係の仕事はしてんだろうけどね。(リーグとして)一応いないとダメなんで、プロの契約するけども、本人たちもそれは分かっていると思うんだ。だから、ああいうチームはプロのクラブかどうかって言われたら、ハッキリとは自分たちでも分かんないんじゃないのかな。

そういうJ3という存在が出来ましたが、と気にしてないけど、リーグのクラブには勝ってほしい。そうなると天皇杯が一番…

天皇杯は気合いを入れたはずなんですけどね(笑)。6月14日に(リーグの)会議やったときに、「天皇杯は勝てよ」っていろんなチームにハッパは掛けたんですがね。でも予選で実際にJ3のチームと当たる可能性があるのはホンダと武蔵野(横河武蔵野FC)ぐらいだけ。あとは本大会出ても、初めのころはJ3には当たらないから、J1J2とやって、勝ち抜け出来たら対戦する可能性がある程度なんで、まずはホンダには「(藤枝MYFCには)絶対に負けるなよ!」とは言ったんですけどねえ…(笑)。

あとは武蔵野でしたが、加藤さんとしても東京予選(東京カップ)の決勝はFC町田ゼルビアとやって欲しい、そしてその上で代表になってもらいたいという思いがあったでしょうが、町田が先に負けてしまったのは残念でしたね。

加藤ちょっとカクッときたんだけどね。あとは大学生とやってなるべく負けないようにしてもらいたいなと思うよね(笑)。

そういえば、SC相模原も大学生に負けてしまってましたよね?

まあ、町田も相模原もそうだけど、簡単には勝てないよね。明治(明治大学)と町田がどんなゲームをしたかわからないけど、監督は違うけど昨年も(出場に)失敗しているじゃない?まあそのおかげで武蔵野が出してもらったんだけど。やっぱり(今年は)土日にリーグ戦やってるからってのもあるだろうけど、大学生に負けちゃうのもねえ。相模原も4-0ぐらいで負けてたよね(※1)。どんなメンバーでやってたのかは知らないけど、まあでもメンバー云々っていうのも言い訳にしづらいと思うしね。やっぱり天皇杯ってのは、JFLもJ3のチームもまず本大会に出ることは重要だと思うんだ。J1やJ2のチームと真剣勝負やるの年に一回これしかないからね。やっぱり絶対でなきゃいけないのよ。
(※1)SC相模原は準決勝で神奈川大学に0-4で敗れた。

ホンダのスタッフは天皇杯に出られないことが、本社から一番きつくいわれるとも話をしていましたね。

加藤ああ、3年間出てないからね。まあホンダの場合、やっぱりリーグ戦の優勝ってのはあるんだろうけど、やっぱり天皇杯でプロのチームと今の自分たちがどれぐらいやれるのかっていうのを、試せる唯一の機会だったはずなんだけど、まずはその前に藤枝(藤枝MYFC)に負けちゃったらねえ……。力的には今年は去年よりもちょっと上だと思ってんだけど。藤枝はどうなのかってのはよくわかんないけどね。

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