ヴォルカ鹿児島 vs リバティFC:観戦レポート

九州サッカーリーグ第17節。各チーム2試合を残してこの土日で一気に日程が消化される。初優勝を目指すヴォルカ鹿児島は、前節で三菱重工長崎に今季初黒星を喫し、土壇場で2位に後退した。ヴォルカ鹿児島は来年にチームを一新することが決まっており、「ヴォルカ鹿児島」としては今年が最後のチャレンジとなる。九州王者として地域決勝に出場するためにはこの2連戦で2勝はしなければならない。対するのはリバティFCリバティFCは今年から九州リーグに参戦している鹿児島県のチーム。今年はまだ1度しか勝てておらず、今は最下位となっている。会場は島原復興アリーナ。隣のコートでは同時キックオフで首位FC鹿児島新日鐵大分の試合が行われていた。

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サイドの使い手ヴォルカ鹿児島、隙のないリバティFC

試合は序盤から慎重な運びとなったが、ヴォルカ鹿児島が丁寧にボールを回して優位に進める。ヴォルカ鹿児島は前線の選手が絞るようにポジションをとり、両サイドにスペースを作って攻撃の起点とする。サイドに収めたボールを放り込むなり、ドリブルで持ち込むなりで自由に攻撃を組み立てた。

前半20分、ヴォルカ鹿児島はFW11栗山裕貴が右サイドから深い位置まで持ち込んだが、シュートはGK正面をつく。こぼれ玉も拾えなかった。ヴォルカ鹿児島が次々と仕掛けるが、リバティFCも負けじとしっかりスペースを埋め、体を当ててしのぐ。時間の経過と共にヴォルカ鹿児島の一方的な展開となったが、リバティFCのしぶとい守備が試合をより一層面白いものにした。
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前半22分、ヴォルカ鹿児島はペナルティエリア手前ゴール正面からFW11栗山裕貴がシュートを放ったが、 右に外れる。ヴォルカ鹿児島は他にもMF6山田裕也が高いキープ力で攻撃のタメを作るなど幾度も打開の機会を作った。ヴォルカの押せ押せモードが止まらない。しかし先制は時間の問題とは思えないほどにリバティFCの守備が光った。
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攻め続けて掴んだスーパーゴール

攻めても攻めても点が取れない展開で重要になってくるのは、チーム戦術以上に個人技やセットプレーとなる。この武器が一つあるかないかでそのチームはさらに上のステージに行けるのだが、ヴォルカ鹿児島はいかがなものか。とりわけMF6山田裕也のキープ力が目立ったため、打開ができるとすればそこだと思ったが、先制点は思わぬ形で入った。前半28分、ヴォルカ鹿児島は右コーナーキックの流れから一度跳ね返ったボールをもう一度放り込むと、最後はFW11栗山裕貴バックヘッドで流し込んだ。しぶとく仕掛けたヴォルカ鹿児島がしぶとく守りつづけたリバティFCから何とか先制点を奪って前半を終える。
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隣のコートで行われているFC鹿児島新日鐵大分の一戦も1-0でFC鹿児島がリード。ヴォルカ鹿児島は優勝へ絶対に落とせない状況となる。

後半も攻め続けるヴォルカ鹿児島、追加点遠く

後半に入ってもヴォルカ鹿児島の一方的な展開は変わらない。サイドからひたすらに、一途に仕掛け続け、時折正面から打開を図る。チャレンジの仕方としては決して非の打ち所がない。後半1分、ヴォルカ鹿児島は左サイドからの折り返しにFW14木村俊喜が正面で合わせたが、GKに阻まれる。MF6山田裕也が押し込もうとしたが至らない。後半6分、ヴォルカ鹿児島はゴール右前でFW11栗山裕貴が放ったシュートは枠外となる。ヴォルカ鹿児島は後半も支配して攻め続けたが、シュートが実らず追加点が遠い。一方のコートではFC鹿児島が2つの追加点を奪っていた。島原復興アリーナの緊張感が切れることはない。
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後半もひたすらに攻め続けるヴォルカ鹿児島。ベンチももリードしているにかかわらず攻撃的な選手の交代カードをきり続けるなど、追加点への欲をあらわにした。後半31分、ヴォルカ鹿児島は左から送り込んだボールを正面でMF17永岩貞亮が合わせてゴールネットを揺らす。一つは安堵と言ったところだが、ピッチに立つ赤黒の選手たちは一切満足した様子を見せず、ただひたすらに得点を求めた。
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焦りは全く見せないが、遠くからのシュートも目立つようになる。後半36分、ヴォルカ鹿児島は正面からFW11栗山裕貴がマークを振り切ってシュートを放ったが、わずかに外れる。後半38分、ヴォルカ鹿児島はFW23竹内佑樹が正面から強烈にぶれるミドルシュートを放ったが防がれる。ヴォルカ鹿児島は追加点を目指してひたすらにシュートを打ちまくった。
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後半45+3分、ヴォルカ鹿児島はペナルティエリア内でFW11栗山裕貴が一人で突破を試みたが、GKを目の前にしてシュートはサイドネットを叩く。これがラストプレーとなって試合は締めくくられた。ヴォルカ鹿児島が2-0で勝利した。
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最下位らしからぬ最下位

試合後にたまたま近くで観戦してたリバティFCの選手の会話に耳を傾けると、 シュート数は24ー0という大差がついていたらしい。俺打ったよなーと不満の声も聞こえたが、それほどに極端なワンサイドゲームであったことは間違いがない。

ヴォルカ鹿児島の一方的な試合ではあったが、この試合で輝いたのはリバティFCの集中力を切らさなかった守備だと思う。およそ最下位とは思えないほどによく戦っていた。力の差は個々の技術やチーム戦術にハッキリと表れていたが、それを障害としないほどに鉄壁を貫いた根性は最下位らしからぬものだった。

そして全身全霊を込めて守り通そうとするリバティFCから2点をもぎ取ったヴォルカ鹿児島も立派なものだ。どこかでカウンターから1点を取られて完封されてもおかしくなかった。どんな状況になっても常に点を取りに行く姿勢は全国での舞台を意識したものなのだろう。あとは明日の直接対決できちんと勝てる実力を示してくれれば太鼓判を押せそうだ。
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